(入会のきっかけは?)元は京都にいたんですが、娘がずっとこっちにいて年に数回来ていて、工房のことは知っていました。その時から裂織は工芸品として魅力的だと認識していました。夫婦でこれからのことを考え、女性のほうが長生きするから、俺を送ったら娘のそばにと思って3年前に2人で越してきたんだけど。かみさんの方が具合悪くなっちゃって。今はひとりで年金生活。元々、インテリアデザインの仕事をしていて物づくりは好きで、工房の存在を知ってたから、自分でも作れそうだと門をたたいた。のほほんと生活するのがもったいない気がして、ここに来れば先生方がいるので、教えてもらえるから。(工房は女性ばかりですが、気になりませんでしたか?)潰れるならそれでもいい。始めたころ、友人に裂織をしていることを教えると、「そんなん作ってどないすんねん」なんて言われたりもしたけど、今はどんなことをして、どんなものを作っているか知れ渡ってるから、言われない。小物送って!と言われる。俺が作れるって納得してる。でも、織るのは良くても、裁縫が・・・。えらいことになったと思った。ミシン掛けするのに、奥さんのミシン使おうと思ったら説明書が無くて、取り寄せて。こたつ掛けを縫ってるときには、途中で下糸が無くなっててがっかりしたこともあった。工房で3人の先生に縫い方を教えてもらって完成させた。(面白かったものは?)全てが印象に残ってる。新しい出会いなので面白い。色の扱いに慣れてるつもりだったが、なかなかイメージ通りにいかない。都の長い歴史と伝統の中から生まれ発展し、磨かれ洗練された織物感とは違う、庶民の生活の中から生まれた、素朴で味わい深い質感が大好です。規則的に織りこむと飽きてくるから、最近はその時のインスピレーションで織ってる。ジャズじゃないけど、アドリブで織ってると、時間を忘れてしまいますね。(本科の感想をお願いします)裁縫のハードルをクリアしないと無理じゃ・・・と思った。自分でよーやれたなという感じ。皆に助けられて、そういう意味では助かった。(やってみたいものは?)かばんとか、空間の中に物を置く、アクセントになるようなタペストリーや敷物を作りたい。本科の勉強をしながら長めに整経して、残ったものでイメージの違うヌキを入れて実験して試していた。予想もしないすごく良いものが出ることがあり、今回の作品にも生かされている。(これからは?)研究科にすすみます。限られた世界しかまだ知らない。世界を広げるため、これから・・・。
小西さんのこたつ掛けはこちら