2023年1月11日 中屋敷ひとみさん(本科)

裂織りを始めたきっかけは何でしょうか? 実家では裂織をやる人はいませんでしたが、十和田市の沢田に嫁いだら、裂織りのこたつ掛けがあって、やりたいなぁと思っていました。農家の仕事が忙しくて、できませんでした。せめて農閑期にと思っても、沢田で教えてくれるところがあっても農閑期だけではだめだということでした。こちらで冬の間だけでもいいと言ってもらって、3年続けてきていますが、コロナでなかなか本科を終われなくて。
実際にやってみていかがでしたか?織る時は無我夢中で織りましたが、作品を作る段になって、基本が大切なんだと痛感しました。こたつ掛けの模様が合わなかったり、幅も一定じゃなかったり、経糸も片側が緩かったのか、伸びたりで、無理やり合わせてこたつ掛けを完成しました。基本の整経や、糸綜絖の経づくりの基礎がきちんとしていなかったんです。前垂れのスティッチもうまくできなくて、苦労しました。
面白かったことは?一人で整経できて、経づくりできた時がすごく嬉しかったです。あと、憧れのこたつ掛けが完成して、イメージ通りできたのが嬉しかったです。
これからは?研究科に行きたいと思いますが、10月から3月までしか来れないので、今のうちに進めるだけ進んでおこうと思って日夜頑張っています。夜はつなぎ糸を作ったり、着物をほどいて裂いたり。冬の間も農家の仕事はいろいろあるのですが、この数十年の夢だったので、せめて冬の間は週1回は許してもらって、頑張りたいと思っています。古くから働きに来てくれている人たちに「今日も行くの?」といわれますが、「許して!」と言ってきています。
これから続けて、師範科まで頑張ってください。できるといいなぁと思います。何よりもお友達がいっぱいできたのが、一番かなと思います。みなさんと一緒に頑張りたいです。