南部裂織保存会のこと

南部裂織保存会って?

当保存会は、1975年7月7日七夕(棚機)の日、一本の裂織の帯に出会って、その紫の縞模様の味わいのある色と丹念に織られた風合いに魅せられた菅野暎子先生によって、失われつつあった南部裂織の普及と伝承のため、『暮らしに創る喜びを、手仕事の温もりをいつまでも』をモットーに、設立されました。菅野先生は

『裂織の創る喜びと感動を自分一人のものにしておくのはもったいない。自分一人では百の作品を仕上げるよりも、百人に教えれば、百の喜びと感動があるはず』

と考えられ、会員とともに30年もの多岐にわたる活動を行ってきました。現在では会員250名、教室で学ぶ生徒は50名、菅野先生の薫陶を受けたお弟子さんは全国で1,000人に上り、青森県内各地に5つの教室があり、裂織の楽しさを広めています。また

『南部裂織はふるさとの誇るべき文化であり、今後地域の産業にもなりうる』

という考えのもと、伝統的な作品ばかりでなく、現代の生活にもマッチした自由な製品を会員の手で製作販売し、地域の物産として、珍重されております。菅野先生がともされた灯をより輝きのあるものとするよう、会員一同機に向かいたいと考えております。